7月の文芸時評で斎藤美奈子先生が取り上げた3点中の1点が『武士道セブンティーン』だった。この新聞記事を読まなければ、誉田哲也という作家も知らなかったし、たとえ偶然書店で目にしたとしても、手に取ることはなかっただろう。
まずは前作の『
武士道シックスティーン』を読んでみた。なるほど。昼休みに一人おにぎりを食べながら五輪書を読み、同時に鉄アレイで腕を鍛える中高生なんている訳ないだろうと思いつつも、とんがったキャラの香織に魅力があってぐいぐいと読ませる。あまりの技の早さにテレビで見ても訳の分からない剣道のシーンも迫力十分。
終盤話が調和へ向かうあたりが少し唐突な気もするが、記事中でも名前が出ているベストセラーの野球小説_第一作しか読んでませんが_よりは余程良かったです。でも主な読者層はやはり中高生なんだろうか。